とうとう来たかという印象を受けたこのニュース。
全国でディスカウントストア約200店を運営するトライアルカンパニー(福岡市)は11日、13日に福岡県大野城市で日本初となる夜間無人の小売店を開業すると発表した。人口減少に伴う市場縮小や人手不足を見据え、新技術を活用し省人化を徹底した。
アマゾンの無人レジ「AmazonGo」は有名ですが、いよいよ日本も無人化への動きがスタートしていくんだなと感じました。
今後、こういった店舗はどんどん増えていくのは間違いないでしょうし、時間の問題ですね。
人口現象時代には必要な技術
私は、こういった技術はどんどん推し進めればいいという意見を持っています。
(レジに並ぶ時間、清算する時間などは極力なくしていきたい・・・)
特に日本のみで考えた場合、人口現象時代に突入しています。
働き手がどんどん減ってくるならば、技術を駆使して無人化で対応というのは自然な発想なのかもしれません。
さらに言えば、購買履歴(購入時間帯や商品など)や行動履歴(顧客層、店舗内の動線など)をビッグデータとして蓄積し、
それを人工知能が判断・意思決定するようになれば、本当に最適化された店舗ができてくるのではないかなと思います。
結果的に、商品陳列の提案が人工知能からされたり、発注点の設定、発注処理すらも機械化されていくようにもなっていくと思います。
機械化による課題はなんなのか?
テクノロジーの進化は破壊と創造の両方があると私はよく言いいます。
この2点については、これから社会的にも考えていかないといけない重要なテーマになっていくのではないでしょうか。
高齢者のITリテラシー向上の問題
今回発表された無人化スーパーは店舗入り口でQRコードを読み取り、商品購入時には商品をカメラで読み取れば自動的に清算されるという仕組みだそうです。
日本はキャッシュレスサービスもまだまだ普及がされず、新しい技術やサービスへの反応スピードは遅い印象なのですが、
ITリテラシーが低い人(特に高齢者)は、否が応でも対応していかなければ、店舗の利用ができなくなっていくという問題も出てくるのかなと思います。
人間の雇用の問題
会社としては、夜間の人件費がカットできるので十分なメリットが考えられます。
人間を雇うと、遅刻もするし、不満も蓄積するし、・・・
経営者の観点にたてば、無人化によるメリットは大きいと思うのです。
では、一方で今までそこに働いていた人たちの雇用はどうなるのか?
今回のニュースだけではないですが、テクノロジーの進化によって、あらゆる業界・産業で人間の雇用が減っていくという問題は、もはや時代的大きな問題と言えます。
人間の尊厳の問題
私が、強く主張したいのは”人間の尊厳”の問題です。
店舗経営をしている社長さんが
「商品の補充以外は全部機械でやれる最適化された店舗を目指す」といったコメントをされていました。
では、逆に考えてみて・・・・
人間は単に機械から指示された商品とその数を、指定の棚に陳列するというある意味作業ロボットのようになっていくとも捉えることができますよね。
これは人間の尊厳が破壊されると言ってもいいと思います。
人間疎外ではなく人間中心社会の実現へ
政府は、「Society5.0」構想を打ち出しています。
「Society5.0」とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)の実現を構想しているものです。
しかし、人間中心社会と言いつつも、先ほど挙げた課題のようにテクノロジー中心、テクノロジー依存によって
・人間の思考力の低下
・存在意義の喪失
などの考えられ、「人間疎外社会」の危険性もはらんでいます。
AI・ロボットと人間が競争ではなく共創していく社会
これは人間自身の意識改革がなければ実現できないと思っています。
今回紹介したようなネタはこれからあらゆる分野・産業で起こっていくのは間違いありません。
メリットや凄さだけが取りだたされる傾向にありますが、
早く、時代的な大きな問題を多くの人が意識し、共に考えていくような雰囲気になることが重要ではないでしょうか。
参考記事
当ブログの過去記事もぜひ興味のある方はご覧ください。