ITストラテジスト

【ITストラテジスト】令和5年度春季午前2 問題と解説

ITストラテジスト 午前2過去問題と解説シリーズ。

 

今回は、令和5年度春季です。

 

出典:令和5年度春季ITストラテジスト試験 午前Ⅱ問題より

https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/ps6vr70000010d6y-att/2023r05h_st_am2_qs.pdf

 

問1 SCOR(Supply Chain Operations Reference model)

問1 SCOR(Supply Chain Operations Reference model)で定義しているSCMに関する実行プロセスのうち,自社にとってのSourceに当たるものはどれか。

ア 資材などの購入

イ 受注と納入

ウ 納入後に発生する作業

エ プロダクトの生産,サービスの実施。

 

【正解】ア

サプライチェーンマネジメント(SCM:Supply Chain Management)とは、原料の調達から商品がユーザの手に渡るまでの一連のプロセスのこと。

そして、SCOR (Supply Chain Operations Reference model)は、SCMにおける共通のフレームワークやビジネスプロセスをまとめたモデルのこと。

SCORモデルでは、サプライチェーンを6つの主要なマネジメントプロセスに分類している。

計画(Plan) リソースと要件を特定し、チェーン全体のコミュニケーションを明確化して、ビジネス目標に沿うように計画するプロセス。サプライチェーンを効率化するベストプラクティスを策定し、コンプライアンス、輸送、資産、在庫など、必要な要素について計画する。
調達(Source) 計画需要または実需要を満たすためのモノやサービスを調達するプロセス。資材などの購買、受入、検査、供給管理など。
生産(Make) 計画需要または実需要を満たすようにプロダクトを製造し、納入できるようにするプロセス。
納入(Deliver) 計画需要または実需要を満たすように、完成したプロダクトやサービスを納入するプロセス。受注管理や輸送管理などを扱う。
返品(Return) 顧客やサプライヤーからの返品に関するプロセス。納入後の顧客サポートのプロセスも含まれる。
業務基盤(Enable) ビジネスルール、データリソース、契約、コンプライアンス、リスクマネジメントなどに関連するプロセス。

(イ)納入(Deliver)に該当する

(ウ)返品(Return)に該当する

(エ)生産(Make)に該当する

 

問2 プロビジョニング

問2 クラウドサービスなどの提供を迅速に実現するためのプロビジョニングの説明はどれか。

ア 企業の情報システムの企画,設計,開発,導入,保守などのサービスを,一貫して又は工程の幾つかを部分的に提供する。

イ 業種や事業内容などで共通する複数の企業や組織が共同でデータセンターを運用して,それぞれがインターネットを通して各種サービスを利用する。

ウ 自社でハードウェア,ネットワークなどの環境を用意し,業務パッケージなどを導入して利用する運用形態にする。

エ 利用者の需要を予想し,ネットワーク設備やシステムリソースなどを計画的に調達して強化し,利用者の要求に応じたサービスを提供できるように備える。

 

【正解】エ

プロビジョニングとは、必要に応じてネットワークやコンピュータの設備などのリソースを提供できるよう予測し、準備しておくこと。

対象や分野によってサーバプロビジョニング、ユーザープロビジョニング、サービスプロビジョニングなどがある。

(ア)システムインテグレータの説明

(イ)クラウドの説明

(ウ)オンプレミスの説明

 

問3 分析手法

問3 多数の被験者の検診データから,説明変数である年齢, 飲酒の頻度及び喫煙本数が,目的変数であるガンの発症の有無に及ぼす影響を統計的に分析した上で,ある人の年齢,飲酒の頻度及び喫煙本数から,その人のガンの発症確率を推定するモデルを構築した。 このとき用いられる分析手法はどれか。

ア ABC分析

イ クラスター分析

ウ 主成分分析

エ ロジスティック回帰分析

 

【正解】エ

ロジスティック回帰分析とは、いくつかの要因(説明変数)から「2値の結果(目的変数)」が起こる確率を説明・予測することができる統計手法のこと。

 

(ア)ABC分析とは、在庫商品の金額や売上などの指標の中から重視する評価軸を決め、商品を累積構成比の多い順にA・B・Cの3グループに分類し管理する方法のこと。

(イ)クラスター分析とは、個々のデータから似ているデータ同士をグルーピングする分析手法のこと。

(ウ)主成分分析とは、たくさんの量的な説明変数を、より少ない指標や合成変数(複数の変数が合体したもの)に要約する手法のこと。

 

問4 投資効果が最大となるプロジェクト

問4 スマートフォン向けのアプリケーションプログラムの開発プロジェクト a 〜 d において,2年間の投資効果をNPVで評価する場合,投資効果が最大となるプロジェクトはどれか。ここで,割引率は10%とする。

ア a

イ b

ウ c

エ d

 

【正解】ウ

NPV(Net Present Value : 正味現在価値)とは、投資によってどれだけの利益を得られるかを示す指標のこと。

投資をすることによる将来の利益を現在価値に換算して投資判断を行う。

現在価値に換算するときに使う数値は、割引率と呼ばれ、通常NPVの計算では、会社が資金調達するために必要な費用が割引率として用いられる。

 

「PV(現在価値)= 将来発生するキャッシュフロー / (1 + 割引率)n年目」で求めることができるので、NPV(PVの総和から初期投資額を引く)は次のようになる。

(a)4.40/1.1¹ + 4.84/1.1² - 7.9 = 4 + 4 - 7.9 = 0.1

(b)3.30/1.1¹ + 3.63/1.1² - 5.5 = 3 + 3 - 5.5 = 0.5

(c)3.30/1.1¹ + 2.42/1.1² - 4.3 = 3 + 2 - 4.3 = 0.7

(d)2.20/1.1¹ + 3.63/1.1² - 6.1 = 2 + 3 - 6.1 = -1.1

 

 

問5 非機能要件

問5 利用者要件のうち,非機能要件項目はどれか。

ア 新しい業務の在り方や運用に関わる業務手順,入出力情報,組織,責任,権限,業務上の制約などの項目

イ 新しい業務の遂行に必要なアプリケーションシステムに関わる利用者の作業,システム機能の実現範囲,機能間の情報の流れなどの項目

ウ 経営戦略や情報戦略に関わる経営上のニーズ,システム化システム改善を必要とする業務上の課題,求められる成果目標などの項目

エ ステム基盤に関わる可用性,性能,拡張性,運用性,保守性,移行性などの項目

 

【正解】エ

非機能要件とは、「必要とする機能以外の要件」のこと。

 

問6 セグメンテーション変数

問6 消費者市場のセグメンテーション変数のうち,人口統計的変数はどれか。

ア 使用頻度,ロイヤリティ

イ 都市規模,人口密度

ウ 年齢,職業

エ パーソナリティ,ライフスタイル

 

【正解】ウ

消費者市場をセグメント化して分析する際に使われるものとして、四つのセグメント変数がある。

地理的変数 人口密度、都市の規模など
人口統計的変数 年齢、性別、職業、家族構成など
心理的変数 趣味、性格、価値観、ライフスタイルなど
行動的変数 購買行動、購買動機、使用頻度など

(ア)行動的変数

(イ)地理的変数

(エ)心理的変数

 

問7 ブランド戦略

問7 ブランド戦略における,ブランドエクティを説明したものはどれか。

ア 顧客がそのブランドに対してどの程度の執着心をもっているかを示す概念であり,これが高いほど,顧客は他のブランドに乗り換えにくくなる。

イ 顧客がブランド要素に接触したとき,企業として顧客の心の中に何を連想してほしいのかというイメージである。

ウ 特定の組織にとって自社のブランドの名前やシンボルと結び付いたブランドの資産の集合であり,製品やサービスの価値を増大させるものである。

エ 名称,キャッチフレーズ,ロゴマーク,キャラクター,記号,包装,スローガンなど,ブランドを特定して差別化するための要素である。

 

【正解】ウ

ブランド戦略には、他には以下のようなものがある。

ラインエクステンションとは、すでに確立している製品のブランド・ラインに別の種類の製品を追加すること。

ブランド拡張とは、既存のある商品で確立されたブランドを他の商品やカテゴリにも展開すること。

ブランドリポジショニングとは、既存のブランドネームをそのまま用いた上で、対象市場を新しいマーケットセグメントに変更し、売上高の増加を狙う戦略のこと。

マルチブランドとは、単一のブランドを強調するだけでなく、同一カテゴリで複数ブランドを使い分けることによって市場シェアの獲得を狙う戦略のこと。

ブランド変更とは、従来の市場をターゲットとし続けるが、従来のブランドネームを廃棄して新しいブランドネームに変更する戦略のこと。

 

問8 エスノグラフィー

問8 マーケティング調査におけるエスノグラフィーの活用事例はどれか。

ア 業界誌や業界新聞,調査会社の売れ筋ランキングなどから消費者の動向を探る。

イ 広告の一部に資料請求の項目を入れておき,それを紹介してきた人数を調べる。

ウ 消費行動の現場で視察やインタビューを行い,気付かなかった需要を発掘する。

エ 同等の条件下で複数パターンの見出しを広告として表示し,反応の違いを測る。

 

【正解】ウ

エスノグラフィーとは、集団や社会の行動様式をフィールドワークによって調査・記録する手法のこと。

消費者の潜在的ニーズを発掘する手法として活用されている。

 

問9 自社Webサイトへの導入経路分析

問9 自社Webサイトへの導入経路分析を行う目的に該当するものはどれか。

ア 自社Webサイトが利用者にとって魅力的なコンテンツかどうかを把握するため

イ 自社Webサイトの利用者がどこを注視しているのかを把握するため

ウ 自社が投資したバナー広告やSEO対策の効果を検証するため

エ 自社のWeb広告と競合企業のWeb広告の出稿状況を比較するため

 

【正解】ウ

 

問10 サービスプロフィットチェーン

問10 J.L.ヘスケットとW.E.サッサーが提唱したサービスプロフィットチェーンの説明はどれか。

ア 企業のビジョンと戦略の実現を目的として,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル

イ 顧客ごとの購買履歴を蓄積することによって顧客の収益貢献度を測定し,これに基づき,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル

ウ 市場の魅力度及び市場内での自社の地位を基に企業の製品及びサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収するべきかを検討するためのモデル

エ 従業員満足どがサービス水準を高め,それが顧客満足度及び企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度がさらに向上するという因果関係を表したモデル

 

【正解】エ

サービスプロフィットチェーンとは「従業員満足」「顧客満足」「企業収益」の3つが良い循環を作ることを示したモデルです。

 

 

問11 シックスシグマ

問11 図は,シックスシグマの基本となる日常業務の効率や品質の向上を目指す継続的改善サイクルである。このサイクルのcに該当するフェーズはどれか。ここで,ア〜エはa〜dのいずれかに対応する。

ア 改善

イ 測定

ウ 定着

エ 分析

 

【正解】ア

シックスシグマとは、対象業務の品質を数値化して統計的手法で分析し,そのばらつきを抑えることで,継続的な業務改善や経営改善を図る手法のこと。

DMAICはプロジェクトを運営する手法のひとつで、活動フェーズには、定義(Define)、測定(Measure)、分析(Analyze)、改善(Improve)、定着(Control)があり5フェーズで構成される。

 

問12 ダブルピン方式

問12 ダブルピン方式の特徴はどれか。

ア 単価が高く体積が大きい又は需要変動が大きい重点管理品に適する

イ 発注間隔が一定で発注量が増減する

ウ 発注点と発注量が等しく,都度の在庫調査の必要がない。

エ 発注点と発注量は調達リードタイムに関係しない。

 

【正解】ウ

ダブルビン方式(複棚法)とは1つの在庫に対して2つの置き場を用意して管理する発注方法のこと。

2つの置き場のうち、一方は常に在庫が満タンになっている状態にしておき、もう一方から在庫を出庫するようにすることで在庫不足を防ぎます。

2連型のトイレットペーパーがそれに該当する。

 

問13 SECIモデル

問13 SECIモデルにおける,内面化の説明はどれか。

ア 新たに創造された知識を組織に広め,新たな暗黙地として習得すること

イ 組織内の個人,小グループが有する暗黙知を形式知として明示化すること

ウ 組織内の個人,小グループで暗黙知の共有化や,新たな暗黙知の想像を行うこと

エ 明示化した形式知を組み合わせ,それを基に新たな知識を創造すること

 

【正解】ア

SECIモデルとは、知識を創造するナレッジマネジメントの実践フレームワークのこと。

共同化→表出化→連結化→内面化の四つの手順を繰り返すことで、組織的な知識を獲得する。

説明
共同化(Socialization) 個人の暗黙知を組織の暗黙知にする OJTなどを通して個人のノウハウを伝達する
表出化(Externalization) 組織の暗黙知を組織の形式知とする 会社のもつノウハウをマニュアル化する
連結化(Combination) 組織の形式知を組み合わせて新たな組織の形式知とする マニュアルを組み合わせて新マニュアルを作成する
内面化(Internalization) 組織の形式知から新たな個人の暗黙知を得る マニュアルに記載された方法を実践し習得する

 

問14 魔の川

問14 技術経営における”魔の川”の説明として,適切なものはどれか。

ア 研究の開始までに横たわる障壁

イ 研究の結果を基に製品開発するまでの間に横たわる障壁

ウ 事業化から市場での成功までの間に横たわる障壁

エ 製品開発から事業化までの間に横たわる障壁

 

【正解】イ

魔の川(Devil River)とは、研究ステージと製品化に向けた開発ステージの間に存在する障壁のこと。

 

技術の社会実装の過程は、(1)研究~(2)製品開発~(3)事業化~(4)市場・産業化と大きく分けることができる。

魔の川は、(1)研究~(2)製品開発における難所のこと。

死の谷は、(2)製品開発~(3)事業化における難所のこと。

ダーウィンの海は、(3)事業化~(4)市場・産業化における難所のこと。

 

問15 BIM/CIM

問15 BIM/CIMの説明はどれか。

ア 業務プロセスやワークフローなどのつながりや関係性を表記する際に用いられる,ビジネスプロセスのモデリング手法

イ 建築や建設の調査・計画・設計段階から3次元モデルを導入し,施工,維持管理まで,一連の建設生産・管理システムにおける品質確保と関係者間の業務効率化・高度化を図る取組

ウ 災害などの緊急事態に,中核となる事業の継続や早期復旧を行うため,平常時に行うべき活動や緊急時の事業継続のための方針,体制,手順などを取り決めておく計画

エ データウェアハウスなど企業内に蓄積された膨大なデータを統合・分析・管理し,企業の意思決定に活用するシステムや概念の総称

 

【正解】イ

BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling,Management、ビムシム)とは、専用のCAD(コンピューターによる設計支援)で作成した3Dモデルを利用し、建設現場での生産管理システムの効率化・高度化を実現するためのワークフロー全体を指す言葉のこと。

 

 

問16 JIT(Just In Time)

問16 JIT(Just In Time)の特徴はどれか。

ア  押し出し方式(プッシュシステム)である。

イ 各工程は使用した分だけを前工程に発注する。

ウ 他の品目の需要に連動しない在庫システムである。

エ 毎回仕様が異なる受注生産型の工場に適している。

 

【正解】イ

JIT (Just In Time) とは、無駄な在庫を極力持たず「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」という発想から生まれた生産方式のこと。

各工程は使用した分だけを前工程に発注するという簡単なもの。後工程で部品を使用したことを契機にして、前工程から必要な部品を引っ張ってくることからPULL型方式のひとつと言われている。

逆に、あらかじめ立てた生産計画に基づいて順番に生産する方式はPUSH型方式と呼ばれる。

 

問17 OT(Operational Technology)

問17 ITとの連携が進とされるOT(Operational Technology)の説明として,適切なものはどれか。

ア 新しい概念,理論,原理及びアイディアの実証を目的とした,施策開発の前段階における検証及びデモンストレーションのこと

イ 工場やプラント,ビルなどを制御する機器を運用するシステムやその技術

ウ サーバ側で稼働しているソフトウェアを,インターネットなどのネットワーク経由でクラインアントがサービスとして利用する状況

エ 情報技術に情報及び知識の共有といったコミュニケーションの重要性及び意味を付加したもの

 

【正解】イ

交通手段やライフラインといった社会インフラにおいて、それに必要な製品や設備、システムを最適に動かすための「制御・運用技術」のこと。

 

問18 ベイズ統計

問18 ベイズ統計の説明として,適切なものはどれか。

ア 経済統計に関する国際条約に基づいて,貿易実態を正確に把握し、 国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的とした指標を作成する統計手法

イ 事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり,機械学習,迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論

ウ 収集されたデータの代表値である平均値 中央値 最頻値を求めたり、度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって,データの特徴を捉える統計理論

エ ビッグデータの収集・分析に当たり,分析結果の検証可能性を確保し、 複数の分析結果を比較可能とするために,対象をオープンデータに限定する統計手法

 

【正解】イ

ベイズ統計とは、主観確率を扱う統計学のこと。

データが不十分でも、”ある事態が発生する確率”を最初に設定(=事前確率を設定)した後、さらなる情報が得られる度に”ある事態が発生する確率”(=事後確率)を更新していき、本来起こるであろう事象の確率(主観確率)を導き出す。

 

問19 活動基準原価計算 (Activity-Based Costing)

問19 活動基準原価計算 (Activity-Based Costing) を導入して実現できることはどれか。

ア 間接費を発生要因と結び付けて把握する。

イ 経営状態を,現金収支の流れに着目して把握する。

ウ 資材の必要量,必要タイミングの予測の正確性を向上する。

エ 使用頻度が高く,単価の高い材料の在庫管理を適正に行う。

 

【正解】ア

活動基準原価計算 (Activity-Based Costing)とは、どの製品やサービスのために発生したのかがわかりにくい間接費を、それぞれの製品やサービスのコストとしてできるだけ正確に配賦することによって、生産や販売活動などのコストを正確に把握していこうという考え方のこと。

間接費を適切に管理するための計算方法として用いられます。

 

問20 事業計画案

問20 表の事業計画案に対して,新規設備投資に伴う減価償却費 (固定費)の増加 1,000万円を織り込み,かつ,売上総利益を 3,000万円とするようにしたい。変動費率に変化がないとすると,売上高の増加を何万円にすればよいか。

ア 2,000

イ 3,000

ウ 4,000

エ 5,000

 

【正解】ウ

変動費率に変化がないと仮定しているため、売上原価(変動費)は売上高の一定割合であり、固定費の増加は売上高に影響を与えない。

「売上総利益 = 売上高 - 売上原価(変動費) - 売上原価(固定費)」の式を元に、新しい売上高をXとした場合

 

3,000 = X - 10,000 - ( 8,000 + 1,000 ) を解くと、

X = 3,000 + 10,000 + ( 8,000 + 1,000 )

X = 3,000 + 10,000 +  8,000 + 1,000

X = 22,000

 

つまり、売上高は+2,000増やす必要がある。

 

問21 連結売上高総利益率

問21 連結売上高総利益率は何%か。ここで,B社はA社の100%子会社で,仕入れは全て親会社からであり,売上は全て親会社以外である。また,期首,期末とも在庫はない。

ア 34

イ 38

ウ 40

エ 56

 

【正解】ウ

連結決算は、親会社・子会社をまとめて一つの会社とみなすため、親会社と子会社の取引は連結決算から除外しなければならないことに注意する。

連結売上高は、A社の売上高4,000とB社の売上高1,000の合計5,000。

連結売上総利益は、A社の売上総利益1,800とB社の売上総利益200の合計2,000。

よって、連結売上高総利益率 = 連結売上総利益 ÷ 連結売上高 × 100 = 2,000 ÷ 5,000 × 100 = 40%

 

問22 暗号資産

問22 資金決済法における暗号資産に関する記述として,適切なものはどれか。

ア 暗号資産交換業者は,情報の安全管理や広告勧誘規制などの行為規制は受けるが,資本金額や純資産額などの財務的規制は受けない。

イ 暗号資産は,不特定の者に対して使用でき,電子的に記録され,移転できるものであり,法定通貨又は法定通貨建ての資産ではないが,法定通貨と相互に交換できる。

ウ 暗号資産は,ブロックチェーン技術を用いて集中管理されており,法定通貨と同様,銀行などの金融機関で入手・交換できる。

エ 利用者の保有する暗号資産の残高や取引は,発行者によって利用者ごとに管理されているので,利用者は保有している暗号資産を発行者の指定する加盟店だけで使用できる。

 

【正解】イ

 

問23 文書ファイルのデジタル署名

問23 送信者 A は、署名生成鍵 X を使って文書ファイルのデジタル署名を生成した。 送信者A から,文書ファイルとその文書ファイルのデジタル署名を受信者Bが受信したとき,受信者B ができることはどれか。 ここで,受信者B は署名生成鍵 X と対をなす,署名検証鍵 Y を保有しており、受信者Bと第三者は署名生成鍵 X を知らないものとする。

ア 文書ファイルが改ざんされた場合,デジタル署名,文書ファイル及び署名検証鍵Yの整合性を確認することによって,その改ざん部分を判別できる。

イ 文書ファイルが改ざんされていないこと,及びデジタル署名が署名生成鍵 X によって生成されたことを確認できる。

ウ 文書ファイルがマルウェアに感染していないことを認証局に問い合わせて確認できる。

エ 文書ファイルとデジタル署名のどちらかが改ざんされた場合,どちらが改ざんされたかを判別できる。

 

【正解】イ

デジタル署名では、なりすましと改ざん検知ができる。

 

問24 共通鍵暗号方式

問24 暗号技術のうち,共通鍵暗号方式のものはどれか。

ア AES

イ ELGamal 暗号

ウ RSA

エ 楕円曲線暗号

 

【正解】ア

共通鍵暗号方式は、暗号化と復号化に同じ鍵を用いる暗号方式のこと。

AESは、平文を一定の長さごとに暗号文に変換するブロック暗号で、ブロック長は128ビットで、鍵長は128ビット(AES-128)、192ビット(AES-192)、256ビット(AES-256)の三種類から選択できる。

(イ)公開鍵暗号方式の一つ

(ウ)公開鍵暗号方式の一つ

(エ)公開鍵暗号方式の一つ

 

問25 サイバー攻撃

問25 サイバー攻撃に関する脅威に対処するために,非合法な手段を使わずに入手できる公開情報について,収集,分析及び活用が進んでいる。 公開情報を収集,分析し,得られる知見、若しくは知見を得るために公開情報を収集,分析する活動,方法などを指すものはどれか。

ア IOC

イ OSINT

ウ SIEM

エ TTP

 

【正解】イ

OSINT(Open Source Intelligence)とは、一般に公開されている情報源からアクセス可能なデータを収集、分析、決定する諜報活動の一種のこと。

IoC(Indicator of Compromise)とは、システムがサイバー攻撃を受けた際に残るさまざまな指標のこと。

SIEM(Security Information and Event Management)とは、複数の機器からログを一つに集めて監視・分析し、サイバー攻撃やマルウェアを検知するシステムのこと。

TTP(Tactics, Techniques, and Procedures)とは、サイバー攻撃者の振る舞いである戦術(Tactics)・技術(Techniques)・手順(Procedures)の総称のこと。

 

関連リンク集

参考書

ALL IN ONE オールインワン パーフェクトマスター ITストラテジスト 2023年度版

IT ストラテジスト試験で実施される午前 Ⅱ、午後 Ⅰ、午後 Ⅱ の 3 つの専門試験すべての対策ができるオールインワンのテキスト&問題集。

ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集

ITストラジテジスと試験で実施される午後 Ⅱ の論文に特化したテキスト。

-ITストラテジスト

© 2024 AI時代の働き方2.0・生き方2.0