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【感想・レビュー】オードリータン自著本「デジタルとAIの未来を語る」

IT業界の世界的異才と言われ、35歳という若さで台湾の財務委員(デジタル担当)に登用された、オードリー・タン氏。

新型コロナウイルス禍において、マスクの在庫管理システムを早急に構築して感染拡大を防止するなど大きな貢献をし、世界中で注目されました。

 

その、オードリー・タン氏の初の自著本「デジタルとAIの未来を語る」を読んでみたので、その感想やポイントを私なりに整理したいと思います。

 

全体的な感想

読んで良かった!

この一言につきます。

 

この本では、デジタルを活用することによるメリットから、社会改革に必要な要素、これからの時代に必要な素養など幅広く取り上げられており、結果的に私自身のデジタルに対するイメージは良い意味でかなりアップデートできました。

 

私自身は、日々DX化(デジタルトランスフォーメーション)を推進している立場です。

しかし、今まではデジタルを学ばないと時代に遅れてしまうよというスタンスを強くとっていたのを反省しました。

 

オードリータン氏は、そのようなスタンスではダメときっぱり言います。

デジタルから遠い人がいずれなくなるというわけではないけれど、どうすれば各世代が一緒にデジタルを使えるのか?

 

それを考えていかなければならないと本当に強く考えさせられました。

本を通して一番心に残った箇所を挙げるならこのポイントです。

 

デジタル技術そのものが社会の方向性を変えるものでは決してない。

誰も置き去りにしないインクルージョンの力を確保して、デジタルを使った新しい民主主義をどうつくっていくのか、非常に参考になるポイントがたくさんありました。

 

人を置き去りにしない社会改革の実現

個人的に特に面白かったのが第四章です。

章タイトルは「人を置き去りにしない社会改革の実現」。

 

その中で3つのキーワードが紹介されていました。

  1. 持続可能な発展
  2. イノベーション
  3. インクルージョン

 

一部言葉を引用させていただくと

 

世界を開くカギになるのは、「AI」「5G 」「ビッグデータ」などの技術ではありません。

すべては「持続可能性」を実現するために何が必要なのかという点からみていくべきでしょう。

〜中略〜

今後の企業の課題ともいわれるDX(Digital Transformation)についても、最も重要なのは、「持続可能な発展」であり、誰も置き去りにしない「インクルージョン」という姿勢です。

〜中略〜

「わずかな部分あるいは少人数のためのイノベーションによって、弱者を犠牲にしてはならない」ということです。

むしろ、「イノベーションとは、より弱い存在の人たちに有線して提供されるべき」ものであり、それこそが誰も置き去りにしない「インクルージョン」です。

オードリー・タン著書「デジタルとAIの未来を語る」(P183-184より引用)

 

部分的な抜粋になりますが、みなさんはどのような考えをお持ちですか?

私は、確かにデジタルが社会を変えていくということには違いないと考えていましたが、それに向き合う姿勢についてはほとんど考えたことがありませんでした。

 

やはり、一国のデジタル担当大臣という立場からみるデジタルの意味について、非常深みがあるなという印象でした。

このマインドは、これからの私自身の仕事に活かしていきたいポイントです。

 

デジタルのメリット

先程の3つのキーワードに関連してデジタルのメリットも2つ話されていたので、ここで紹介させていただきます。

 

 一つは、企画段階で未来がどうなっているかをモデル化できるということです。「こうしたい」ということがあれば、「それをすると実際にどうなるか」がシミュレートできるわけです。

その結果を見つつ、「それではここのやり方を修正しよう」ということも可能になります。これはデジタル化が有益であることをよく表しています。

二つ目のメリットは、デジタルのイノベーションと同等に重要なのですが、デジタル化の段階は、「現実世界のロジックによって行われた結果よりも良くなる」ということです。ある結果が期待どおりでなかった場合、デジタルの方式であれば「ロジックをかえてみよう」「違うシステムでやってみよう」というように、違った方法を新たに選択することが可能です。それで再思考すれば、もしかするより良い結果が出るかもしれないわけです。

〜中略〜

デジタル化とデジタル・イノベーションは、この社会にすでに存在している処理の方式や組織の価値観を増加させたり強めたりするものです。だからこそ、先ほどから言っている「持続可能な発展」「イノベーション」「インクルージョン」といった価値観を先に植え付けることが大切なのです。なぜなら、この価値観が不安定であれば、デジタル・イノベーションがおかしな方向へ進んでしまうことになりかねないからです。

オードリー・タン著書「デジタルとAIの未来を語る」(P187-188より引用)

 

今まで無意識的に感じていたものを、きちんと文章にしてくれた印象で、本当にその通りだなと感じました。

価値観を共有し、その上でデジタル化を推進していくというステップをこれから実践していきたいと思いますね。

 

これからの時代に必要な素養

デジタル技術というものがこれからまだまだ加速し、世の中を変革していくことはずっと続くことだとは思いますが、そのような時代だからこそ身につけておかなければならない素養もあると思います。

こちらも私的に重要なポイントだと思った箇所があるので、2つ紹介しておきたいと思います。

 

「必ずこうしなければいけない、これを勉強しなければならない」と考えず、特定の方向性を設定せずに学ぶこと、そして「いかに好奇心を持つか」ということです。

 オードリー・タン著書「デジタルとAIの未来を語る」(P204より引用)

 

これからの時代は生涯にわたる「学習能力」が重要になると確信しています。

様々なぶ文野を学ぶことに楽しみを見出すことができれば、人生の幅はもっと広がるでしょう

 オードリー・タン著書「デジタルとAIの未来を語る」(P208より引用)

 

自らが好奇心をもって学びづづけられるよう、マインドをチェンジしてこれからの時代をリードしていく人材になっていきたいと改めて感じますね。

 

 

さいごに

冒頭にも書きましたが、デジタルに対するイメージが大きく変えるきっかけをいただきました。

人間本来のあり方や関係性のあり方、社会のあり方を描き、それを実現する道具としてのデジタルという位置付けを肝に銘じ、邁進していきたいと思います。

 

もし、この記事を読んで興味が出ましたら、ぜひ本を手にとって読んでみてくださいね。

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