私は色んなプロジェクトに関わることが多いのですが、どのプロジェクトにおいても共通で言えること。
それは「問題解決能力よりも問題発見能力」が重要だということです。
問題は終わりなく発生する。
問題が生まれては解決して、生まれては解決して、・・・
その繰り返しではなく、問題そのものをなくすためにはどこに究極の問題があるかといった問題発見が本当は重要だと言えますね。
問題発見のポイントとは!?
問題発見のイメージについて、例え話をひとつ紹介。
<ケース>
みなさんは、ある小舟に乗っています。
その舟が沖に出てしばらく進んでいたその時、足元に水が溜まっているのを発見しました。
舟に乗っている人たちは慌てて水をかきだすことにしました。
このケースで、問題発見と問題解決のペアで考えた時
<対処①>
問題発見:水が浸水してきている
問題解決:水をかき出す
まずはこの対処がイメージつきやすいですよね。
ただ、これは根本的な解決にはならないのは容易に想像できるでしょう。
いち早く水をかきだせるプロがいたとしても、水は終わりなく入ってくる。
ここでいう究極の対処は
<対処②>
問題発見:浸水してきている穴を見つける
問題解決:穴を塞ぐ
になりますよね。
つまり、限定された問題を解決するプロも確かに必要なんですが、究極的には一番解決するべき問題を発見するところから全てがおさまっていくということです。
これは、ビジネスの現場においても様々なところで応用できると思っています。
例えば、トラブルシューティングや障害対応などについても、
問題が起きてから早急に対処して問題解決に向かうという能力は確かに重要ですし必要なことです。
それでもやっぱりもっと重要なのは、トラブル自体が起きないように初めから問題のリスクを消しておくこと。
それこそがプロのやるべき仕事かなと思ったりしますね。
私はITシステムの運用に携わっていた時期が長いのですが、その時の上司にこんなことを言われたのを今でも覚えています。
「障害対応できるエンジニアも大事だけど、そもそも障害が起きないようにすることが重要。それこそが本物のプロだ」
この言葉は、いろんなプロジェクトに関わって仕事をする上で常に意識していることですし、今となってその深みを肌をもって感じることができますね。
問題を問題と思う自分の観点があることを気づくこと
ここでもう少し飛躍して話を進めたいと思います。
そもそも、人間社会でも個人でもいいのですが、何を問題とするのか?という議論が必ず出て来ますよね。
例えば、Aさんはこの問題に関心があったとしても、Bさんからは問題ではない可能性もあります。
立場や役割、ポジションによって、共通の問題になったりそうじゃなくなったりします。
つまり、問題は必ず実在するものではなく、その人が問題と思う観点があるということ。
ものの見方ひとつで問題が問題でなくなる可能性もありますし、俯瞰して上昇した観点からみたときにまた違った世界というものが見えてくるはずです。
もっと言えば全ての問題を一掃した世界から、何を問題だと規定するのか?
なんで問題だと言えるのか?
そういったものが整理できたときに、問題解決方法の次元はぐんとあがっていくのかなと思います。
・問題を問題だと思う観点も立場によって違う
・問題の解決は同じ次元ではなく高次の次元から考えること
このポイントを押さえて、日々のプロジェクトをしてみると面白いんじゃないでしょうか。