ITストラテジスト

【ITストラテジスト】平成29年度秋季午前2 問題と解説

ITストラテジスト 午前2過去問題と解説シリーズ。

 

今回は、平成29年度秋季です。

 

出典:令和29年度秋季ITストラテジスト試験 午前Ⅱ問題より
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2017h29_2/2017h29a_st_am2_qs.pdf

 

問1 システム化構想の立案プロセス

問1 共通フレーム 2013 によれば,システム化構想の立案プロセスで実施するタスクはどれか。

ア 市場,競争相手,取引先,法規制,社会情勢などの事業環境,業務環境を分析し,事業目標,業務目標との関係を明確にする。

イ システムのライフサイクルの全期間を通して,利害関係者を識別する。

ウ 人間の能力及びスキルの限界を考慮して,利用者とシステムとの間の相互作用を識別する。

エ 利害関係者の要件が正確に表現されていることを,利害関係者とともに確立する。

 

【正解】ア

共通フレーム2013の概説」では、共通フレームは下記のようて定義している。

ソフトウェアの構想から開発、運用、保守、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じて必要な作業項目、役割等を包括的に規定した共通の枠組み。
何を実施するべきかが記述されている、「ITシステム開発の作業規定」である。

引用:「共通フレーム2013の概説」より

また、企画プロセスの目的として以下記載がある。

企画プロセスの目的は,経営・事業の目的,目標を達成する ために必要なシステムに関係する要件の集合とシステム化の方針,及び,システムを実現するための実施計画を得ることである。システム化構想の立案とシステム化計画の立案プロ セスが含まれる。 システム化構想の立案プロセスでは,経営課題を解決するた めの新たな業務とシステムの構想を立案する。 システム化計画の立案プロセスでは,システム化構想を具現 化するための,システム化計画及びプロジェクト計画を具体化し,利害関係者の合意を得る。

 

問2 BCP 策定

問2 BCP 策定に際して,目標復旧時間となるものはどれか。

ア 災害時に企業活動を継続するために,最低限必要な業務を復旧するまでの時間

イ 災害時に代替手段で運用していた業務が,完全に元の状態に戻るまでの時間

ウ 障害発生後のシステムの縮退運用を継続することが許容される時間

エ 対策本部の立上げや判定会議の時間を除く,待機系への切替えに要する時間

 

【正解】ア

BCP(Business Continuity Plan)は、事業継続計画のこと。

目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)は、事業が中断した際に、「いつまでに事業を復旧するか」という目標を示す数値のこと。

目標復旧レベルとセットで常に考えられる。

 

問3 情報戦略における全体最適化計画の策定

問3 システム管理基準(平成 16 年)によれば,情報戦略における全体最適化計画の策定で実施することはどれか。

ア 情報システムの目的を達成する実現可能な代替案を検討する。

イ 投資効果及びリスク算定の方法を明確にする。

ウ パッケージソフトウェアとユーザニーズとの適合性を検討する。

エ ユーザ部門及び情報システム部門の役割分担を明確にする。

 

【正解】イ

システム管理基準とは、経済産業省が公開している、企業などの情報システムを適切に管理するためのガイドラインのこと。

組織体の経営陣がITガバナンスを確立するために必要となる基本的な事項を体系的に示している。

 

問4 ROI

問4 IT 投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROI によるものはどれか。

ア 一定期間のキャッシュフローを,将来発生するものは割引率を設定して現在価値に換算した上で,キャッシュフローの合計値を求め,その代償で評価する。

イ キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する。

ウ 金銭価値の時間的変化を考慮して,現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるように割引率を求め,その大小で評価する。

エ 投資額を分母に,投資による収益を分子とした比率を算出し,その大小で評価する。

 

【正解】エ

ROI(Return on Investment)は投資利益率のこと。

「ROI(%)=投資による収益 ÷ 投資額 × 100」で示され、ROIの値が大きいほど、投資効果が高いと評価できる。

(ア)NPV(Net Present Value : 正味現在価値)の説明

(イ)単純回収期間法の説明

(ウ)IRR(Internal Rate of Return : 内部収益率)

 

問5 アンゾフの成長マトリクス

問5 アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。

ア 外部環境と内部環境の観点から,強み,弱み,機会,脅威という四つの要因について情報を整理し,企業を取り巻く環境を分析する手法である。

イ 企業のビジョンと戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から事業活動を検討し,アクションプランまで具体化していくマネジメント手法である。

ウ 事業戦略を,市場浸透,市場拡大,製品開発,多角化という四つのタイプに分類し,事業の方向性を分析する手法である。

エ 製品ライフサイクルを,導入期,成長期,成熟期,減退期という四つの段階に分類し,企業にとって最適な戦略を分析する手法である。

 

【正解】ウ

アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討する手法のこと。

(ア)SWOT分析の説明

(イ)バランススコアカード(BSC)の説明。

(エ)プロダクトライフサイクルの説明。

 

問6 バリューチェーン

問6 バリューチェーンでは,付加価値を生み出す事業活動を,五つの主活動と四つの支援活動に分類している。支援活動に該当するものはどれか。

ア 技術開発

イ 購買物流

ウ サービス

エ 製造

 

【正解】ア

バリューチェーン分析は、「購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」の五つの主活動、「調達」「技術開発」「人事・労務管理」「全般管理」の四つの支援活動に分類し、製品の付加価値がどの部分(機能)で生み出されているかを分析する手法のこと。

 

問7 ファイブフォース分析

問7 ファイブフォース分析は,業界の構造を,業界内で競争が激化する五つの要因を用いて図のように説明している。図中の a に入る要因はどれか。

ア 規模の経済性

イ 業者間の敵対関係

ウ 仕入先の集中度

エ 流通チャネルの確保

 

【正解】イ

ファイブフォース分析とは、企業の競争力に影響を与える5つの競争要因から、業界の構造分析を行う手法のこと。

それぞれの力関係が強ければ強いほど収益性は低く、逆に弱ければ弱いほど収益性は高いとされる。

なお、新規参入の脅威、代替品の脅威は外部脅威。

売り手の交渉力、買い手の交渉力、業者間の敵対関係は内部脅威。

 

問8 正味現在価値法

問8 投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は 3 年間,割引率は 5 % とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

ア A

イ B

ウ C

エ 投資をしない

 

【正解】

正味現在価値法(NPV法:Net Present Value)は、割引率を考慮して算出した正味現在価値で投資効果を評価する方法のこと。

回収額を現在価値に割り引いたものから投資額を引いて投資額を算出し、大小を比較する。

割引率(5%)を考慮した回収額は次の表の通り。

シナリオ 投資額 回収額
1年目 2年目 3年目
A 220 38.1 72.6 103.7
B 220 114.3 72.6 34.6
C 220 76.2 72.6 69.1
投資をしない 0 0 0 0

シナリオA〜Cの投資効果を計算すると

A: 38.1+72.6+103.7-220=-5.7

B:114.3+72.6+34.6-220=1.4

C:76.2+76.2+69.1-220=-2.1

投資をしないシナリオは投資効果が0なので、投資効果の最も大きいシナリオはBとなる。

 

問9 コーズリレーテッドマーケティング

問9 コーズリレーテッドマーケティングの特徴はどれか。

ア 顧客との継続的な取引関係を構築して維持することによって,顧客生涯価値を高め,企業収益に貢献する。

イ 顧客の許可を得てから勧誘や広告活動を行うことによって,顧客との長期的な信頼関係や友好関係の形成を重視する。

ウ 商品の売上の一部を NPO 法人に寄付するなど,社会貢献活動を支援する信条をアピールし,販売促進に繋げる。

エ 蓄積された顧客情報を分析することによって,見込み客の特定,的確な提案,顧客の購買促進や顧客のロイヤリティ向上などに役立てる。

 

【正解】ウ

コーズリレーテッドマーケティング(Cause Related Marketing)とは、商品やサービスの売上によって得た利益の一部(または全部)を、NPO・NGOや国連機関などの組織に寄付することでイメージ向上を図るマーケティング手法のこと。

 

問10 マーケティング手法

問10 人から人へと評判が拡散することを積極的に利用することが特徴的なマーケティング手法はどれか。

ア アフェリエイトマーケティング

イ セグメント内差別化マーケティング

ウ パーミッションマーケティング

エ バイラルマーケティング

 

【正解】エ

バイラルマーケティングとは、SNSなどによる拡散など人から人に伝わることを利用するマーケティング手法のこと。

バイラル(viral)とは、「ウイルス性の」「感染性の」という意味。

 

問11 マーケティング

問11 売り手側でのマーケティング要素 4P は,買い手側での要素 4C に対応するという考え方がある。4P の一つであるプロモーションに対応する 4C の構成要素はどれか。

ア 顧客価値(Customer Value)

イ 顧客コスト(Customer Cost)

ウ コミュニケーション(Communication)

エ 利便性(Convenience)

 

【正解】ウ

4Pと4Cはマーケティング戦略の基本となるフレームワークで、マーケティングミックスとも言われる。

4Pは「売り手側」から見た要素、4Cは「買い手側」から見た要素で、次の対応関係がある。

4P 4C
Product(製品) Customer Value(顧客価値)
Price(価格) Customer Cost(顧客コスト)
Place(場所) Convenience(利便性)
Promotion(販売促進) Communication(コミニケーション)

 

問12 ペネトレーション価格戦略

問12 ペネトレーション価格戦略の説明はどれか。

ア 価格感度が高い消費者層ではなく高価格でも購入する層をターゲットとし,新製品の導入期に短期間で利益を確保する戦略である。

イ 新製品の導入期に,市場が受け入れやすい価格を設定し,まずは利益獲得よりも市場シェアの獲得を優先する戦略である。

ウ 

エ 補完的な複数の製品やサービスを組み合わせて,個々の製品やサービスの価格の合計よりも低い価格を設定し,売上を増大させる戦略である。

 

【正解】イ

ぺネストレーション価格戦略とは、新製品を市場に投入した初期に低価格を設定し、早期に市場シェアの獲得を目指す価格戦略のこと。

ぺネストレーションとは「浸透すること」の意味がある。

(ア)スキミング価格戦略(浸透価格戦略)の説明

(ウ)バリュー価格戦略の説明

(エ)価格バンドリングの説明

 

問13 需要の価格弾力性

問13 需要の価格弾力性を説明したものはどれか。

ア 製品価格と需要,製品価格と供給の関係をそれぞれ表したものであり,両者の曲線の交点が均衡価格であることが分かる。

イ 製品価格の変化に対する需要の変化を比率で表したものであり,製品価格を上下させたときの需要の増減量を判断できる。

ウ 製品の需要と,価格,所得,広告,販売促進などの需要決定要因との関係を表したものであり,これによって需要予測ができる。

エ 累積生産量と単位コストの関係を表したものであり,製品の需要が増加して累積生産量が増加すると単位コストが低減することが分かる。

 

【正解】イ

価格弾力性とは、価格が需要に及ぼす影響を測る指標のこと。

商品やサービスの価格が変動した際に、それらの需要がどの程度変化するかを数値化したもので、「価格弾力性=需要の変化率 / 価格の変化率」で表す。

価格弾力性の値がが1より大きいと「弾力性が大きい」と言い、1より小さいと「弾力性が小さい」と言う。価格弾力性が小さい場合は、価格を変更しても需要はほとんど変化しないが、価格弾力性が大きいと、価格が変わると需要が大きく変化する。

 

問14 PEST 分析

問14 企業が実施するマクロ環境分析のうち,PEST 分析によって戦略を策定している事例はどれか。

ア 購買決定者の年齢層や社会的なポジション,購買に至るプロセスの中で購買行動に影響する要因を把握し,自社の製品の市場投入方法を決定する。

イ 自社の製品市場に参入してくると見込まれる,別市場の企業の動向を把握し,新製品の開発を決定する。

ウ 自社の販売力,生産力の評価や自社の保有する技術力を検証し,新しく進出する市場分野を決定する。

エ 法規制,景気動向,流行の推移や新技術の状況を把握し,自社の製品改善の方針を決定する。

 

【正解】エ

PEST分析とは、外部環境を政治的、経済的、社会的、技術的に分類し、現在及び将来の事業活動に影響を及ぼす可能性をそれぞれの環境要因で把握して、影響度や変化を分析する手法のこと。

政治的(Political)要因・・・税制の変化、法制度、政策の変化、補助金の交付など

経済的(Economic)要因・・・景気、株価、金利、為替、原油価格など

社会的(Social)要因・・・人口の変動、流行、世論、宗教、文化など

技術的(Technological)要因・・・ビッグデータ、AI、IoT、特許、技術開発に関する投資の度合いなど

 

(ア)購買行動の事例

(イ)アンゾフの成長マトリクスの「製品開発戦略」の事例

(ウ)アンゾフの成長マトリクスの「市場拡大戦略」の事例

 

問15 プロダクトイノベーション

問15 プロダクトイノベーションの例として,適切なものはどれか。

ア シックスシグマの工程管理を導入し,製品品質を向上する。

イ ジャストインタイム方式を採用し,部品在庫を減らす。

ウ 製造方法を見直し,コストを下げた製品を製造する。

エ マルチコア CPU を採用した,高性能で低消費電力の製品を開発する。

 

【正解】エ

プロダクトイノベーションとは、これまでにはない革新的な新製品を開発することで、世の中に新たな価値を提供するイノベーションのこと。

 

問16 インプレッション保証型広告

問16 インターネットにおける広告形態のうち,インプレッション保証型広告の説明はどれか。

ア あらかじめ決められたキーワードを利用者が検索エンジンに入力した際に表示される広告

イ 掲載した広告を見た利用者が,その広告をクリックした上で,掲載者の意図に沿った行動を起こした場合に,掲載料を支払う広告

ウ 契約した表示回数に達するまで掲載を続ける広告

エ ポータルサイトのトップページや特集ページなどに一定期間掲載する広告

 

【正解】ウ

インプレッション保証型広告とは、契約した表示回数(インプレッション)に達するまで掲載を続けるインターネット広告のこと。

(ア)リスティング広告(検索連動型広告)の説明。

(イ)アフィリエイト広告(成功報酬型広告)の説明。

(エ)期間保証型広告の説明。

 

問17 フリーミアム

問17 フリーミアムの特徴はどれか。

ア Web サイト内の広告を収益源としているので,サービスの維持・拡大が困難である。

イ 全ての利用者に広く課金するモデルである。

ウ 有料と無料の境界が明確になっていて,高度な機能や充実した内容など有料のサービスの優位性がはっきりしている。

エ 利用者ごとに掛かるコストが大きいので,少数の人が限定的に使うような場合に,より高い効果が見込める。

 

【正解】ウ

フリーミアムとは、「フリー(無料)」と「プレミアム(割増料金)」の造語で、基本的なサービスや製品を無料で提供し、さらに高度なサービスや機能に関しては有料で行う事により収益を得るビジネスモデルのこと。

95%が無料ユーザーであっても5%の有料ユーザーがいればビジネスは成立する「5%ルール」として知られている。

 

問18 コンバージョン率

問18 インターネット広告の効果指標として用いられるコンバージョン率の説明はどれか。

ア Web サイト上で広告が表示された回数に対して,その広告がクリックされた回数の割合を示す指標である。

イ Web サイト上の広告から商品購入に至った顧客の 1 人当たりの広告コストを示す指標である。

ウ Web サイト上の広告に掛けた費用の何倍の収益がその広告から得ることができたかを示す指標である。

エ Web サイト上の広告をクリックし,その Web サイトを訪れた人のうち会員登録や商品購入などに至った顧客数の割合を示す指標である。

 

【正解】エ

コンバージョン率(CVR : Conversion Rate)とは、Webサイトに訪れたユーザーや広告をクリックしたユーザーのうち、どの程度がコンバージョン(成約)に至ったのかを表す数値です。

例えば、インターネット広告ならクリック数が 100 回で、そのうちコンバージョン数が 1 件であれば、コンバージョン率は 1 % となる。

 

問19 SL 理論

問19 ハーシィ及びブランチャードが提唱する SL 理論の説明はどれか。

ア 解放の窓,秘密の窓,未知の窓,盲点の窓の四つの窓を用いて,自己理解と対人関係の良否を説明した理論

イ 教示的,説得的,参加的,委任的の四つに,部下の成熟度レベルによって,リーダシップスタイルを分類した理論

ウ 共同化,表出化,連結化,内面化のプロセスによって,個人と組織に新たな知識が想像されるとした理論

エ 生理的,安全,所属と愛情,承認と自尊,自己実現といった 5 段階で欲求が発達するとされる理論

 

【正解】イ

SL(Situational Leadership)理論とは、部下の成熟度によって、マネジメントする人間のリーダーシップがどのように変化するかを説明するもの。

縦軸を仕事志向、横軸を人間志向の強さとして4象限に分け、それぞれの状況でリーダーシップの有効性(指示決定の指導の強弱、説得・参加型スタイルなど)を高めていくにはどうすれば良いかを示している。

 

(ア)ジョハリの窓の説明

(ウ)ナレッジマネジメントの説明

(エ)マズローの欲求5段階説の説明

 

問20 必要な部品数の計算

問20 製品 X,Y を 1 台製造するのに必要な部品数は,表のとおりである。製品 1 台当たりの利益が X,Y ともに 1 万円のとき,利益は最大何万円になるか。ここで,部品 A は 120 個,部品 B は 60 個まで使えるものとする。

ア 30

イ 40

ウ 45

エ 60

 

【正解】ウ

製品Xをx個、製品Yをy個製造すると、部品Aと部品Bの制約により、次の式が成り立つ。

3x + 2y ≦ 120

x + 2y ≦ 60

連立方程式を解くと、x = 30, y = 15となるので、利益は 30万+15万=45万となる。

 

問21 ブレーンストーミング

問21 利用者とシステム運用担当者によるブレーンストーミングを行って,利用者の操作に起因する PC でのトラブルについて,主要なトラブルごとに原因となったと思われる操作,利用状況などを拾い上げた。トラブル対策を立てるために,ブレーンストーミングの結果を利用して原因と結果の関係を整理するのに適した図はどれか。

ア 散布図

イ 特性要因図

ウ パレート図

エ ヒストグラム

 

【正解】イ

特性要因図は、現在見えている結果(特性)とその結果をもたらすことに影響を与えた原因(要因)を図示したもの。

魚の骨のような形のグラフになるため、フィッシュボーンとも呼ばれる。

 

(ア)散布図とは、縦軸、横軸に2項目の量や大きさ等を対応させ、データを点でプロットしたものである。分布図とも言う。2つの量に関係があるかどうかをみるのに非常に便利なグラフ。

(ウ)パレート図とは、値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフのこと。

(エ)ヒストグラムとは、対象のデータを区間ごとに区切った度数分布表を、棒グラフに似た図で表現したグラフのこと。量的データの分布の様子を見るのに用いられる。

 

問22 営業利益の計算

問22 期末の決算において,表の損益計算資料が得られた。当期の営業利益は何百万円か。

ア 270

イ 300

ウ 310

エ 500

 

【正解】イ

当期の営業利益は、以下の式で求めることができる。

当期の営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費 = 1,500 - 1,000 - 200 = 300百万円

なお、営業利益に営業外収益を加算して、営業外費用を控除することで、経常利益を求めることができる。

 

問23 国税関係帳簿

問23 国税関係帳簿を磁気媒体で保存する場合,法律で規定されているものはどれか。

ア あらかじめ所轄の税務署長の承認を受けることが必要となる。

イ 定められた性能の媒体を用いなければならない。

ウ 電子取引に関する記録に限って許可される。

エ バックアップとして紙又はマイクロフィルムでの保存が義務付けられている。

 

【正解】ア

国税関係帳簿を磁気媒体で保存する場合は、あらかじめ所轄の税務署長の承認を受けることが必要となる、と法律で規定されている。

 

問24 Man-in-the-Browser 攻撃

問24 Man-in-the-Browser 攻撃に該当するものはどれか。

ア DNS サーバのキャッシュを不正に書き換えて,インターネットバンキングに見せかけた偽サイトを Web ブラウザに表示させる。

イ PC に侵入したマルウェアが,利用者のインターネットバンキングへのログインを検知して,Web ブラウザから送信される振込先などのデータを改ざんする。

ウ インターネットバンキングから送信されたように見せかけた電子メールに偽サイトの URL を記載しておき,その偽サイトに接続させて,Web ブラウザから口座番号やクレジットカード番号を入力させることで情報を盗み出す。

エ インターネットバンキングの正規サイトに見せかけた中継サイトに Web ブラウザを接続させ,入力された利用者 ID とパスワードを使って利用者になりすまし,正規サイトにログインする。

 

【正解】

Man-in-the-middle攻撃(中間者攻撃)は、通信を行う二者間に第三者が割り込み、通信を盗聴したり、通信に介入したりする攻撃手法のこと。

中間者攻撃が成立した場合、通信内容の盗聴、内容の差し替えなど、さまざまな攻撃が可能になる。

 

問25 ディジタル証明書

問25 ディジタル証明書が失効しているかどうかをオンラインでリアルタイムに確認するためのプロトコルはどれか。

ア CHAP

イ LDAP

ウ OCSP

エ SNMP

 

【正解】ウ

OCSP(Online Certificate Status Protocol)は、ディジタル証明書の有効性を問い合わせる手順を定めたプロトコルのこと。

 

(ア)CHAP(Challenge-Handshake Authentication Protocol )は、ユーザやネットワークホストに対する認証プロトコルのこと。

(イ)LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)は、ディレクトリ・サービスに接続するために使用される通信プロトコルのこと。

(エ)SNMP(Simple Network Management Protocol)は、SNMPマネージャとSNMPエージェント間での通信プロトコルのこと。

 

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