NHKのEテレで放送されている「人間ってナンだ?超AI入門シーズン3」。
現代は「IT×●●」というように、あらゆるものにITが入っている時代です。
そして、人工知能(Artificial Intelligence)の進化・発展に伴い、近未来は様々な分野で「AI×●●」となっていくと私は考えています。
だからこそ、多くの人がAIの最低限の知識と理解をしておくべきではないでしょうか。
この番組では、AI技術の紹介、また実際の活用事例なども取り上げられていて、超AI入門というように非常にわかりやすく面白い番組ですので、毎回備忘録的に記事として残しています。
シーズン3では、実践編。第2回のテーマは「感じる」です。
人間の感覚は曖昧
匂いを判定するAIの紹介がされていましたが、人間の嗅覚がいかに曖昧かという話がよくわかりました。
人間は匂いそのものを嗅いでいるのではなく、視覚情報や過去の記憶データから推測して判断しています。
一方AIには固定概念がないため、データから全ての答えを導くというのが根本的な仕組みとして違うんでしょう。
脳は捏造して思い込ませるというのが得意なわけですが、
人間の嗅覚は5感覚の中でも非常に曖昧なので、特に匂いに騙されるということはよくあるかもしれませんね。
データ分析が得意なAI
ファッションの流行を分析するAI
ファッションサイトの画像から身につけているアイテムを認識し、服の種類や色を詳細に分類して流行りを分析するというAIも紹介されていました。
写真の中からどこに衣服があるのかというのを認識するために、SSD(物体の検出に使われるアルゴリズム)というものをまずは使う。
そして、どこに何があるかを認識したあとは
例えば、セーター、ブラウス、色、素材感、長さ、加工、アクセサリーの有無、などの特徴量をCNNを使ってさらに詳細分析するというプロセスだそうです。
画像解析というのは過去に番組でも何度か紹介されていますが、
あらゆる分野で活用されていくのだなと改めて感じました。
メガネが似合うかどうかを判定するAI
メガネが似合うかどうかを判定するAIも紹介されていました。
これは、30万枚のデータから、1枚1枚3000人が似合う似合わないの評価を行い教師学習を蓄積したそうです。
(これだけの教師データを集めるのにどれくらいの時間がかかるんでしょうか・・・・)
男性目線、女性目線のそれぞれからどれくらい似合っているかをスコア化して表示するというサービスとのことですが、
みなさんは自分の観点で似合うかどうかを判定することと、3000人の標準的なスコアで判定されることとどちらを選びますか?
また、ここでDeepLearningのワークフローとして、GoogleのTensorFlowが紹介されていました。
こういったワークフローがどんどん増えてくることで、AI時代が加速していくのかなと思うので私も勉強したいと思います。
AIがもたらす本質的な課題とは?
AI研究の先にどんな問題や課題があるのかということが番組後半で紹介されていました。
これから、AIだけではなくバイオテクノロジーや遺伝子工学などを組み合わせて感覚代行が行えるようになってくることも十分考えられます。
耳が不自由な人でも皮膚を通じて音が聞こえるような感覚になったり、
これは視覚が見えない人も同様に目が見えるような感覚になったりするわけですね。
そして、赤外線やセンサーをキャッチするような機械をつけることによって
今まで見たことのないスペクトルで世界を認識することが可能になるという恐ろしくも可能性が広がる話だと思います。
まさに人間が新しい感覚を手に入れる!?
テクノロジーを駆使した新しい人間像の誕生となるかもしれませんね。
感想
番組内で、「人間がいかにいい加減なのかというのがバレてくる」と松尾教授がコメントされていました。
そして、「AIによって化けの皮が剥がされていく。」と・・・
これは私も本当に同感です。
人間の5感覚というのは本当に曖昧です。
偉大でありポンコツである人間の5感覚と脳。
しかし、曖昧さを持つことはそれが多様性を持つことにも繋がると思っています。
そして、それが一人ひとりの違う経験となり、価値観になっていくのではないでしょうか。
「経験という基準を持つことが絶対的な強みでもあり弱みでもある。」とも言われていましたが、
多様性を補うことができる究極の絶対性を持たない限り、人間の中では相対比較が終わらないし、人間がAIを道具として使うことができないのかもしれません。
オススメ図書
番組にも出演されている東京大学の松尾教授の講演をお聞きした際に、人工知能関連の推薦図書が紹介されていました。
私もこれらの図書を通して、一般的な知識は身についたと思っていますので、興味のある方はぜひお手にとってみてください。
・入門書として
・読み物として