NHKのEテレで放送されている「人間ってナンだ?超AI入門シーズン3」。
現代は「IT×●●」というように、あらゆるものにITが入っている時代です。
そして、人工知能(Artificial Intelligence)の進化・発展に伴い、近未来は様々な分野で「AI×●●」となっていくと私は考えています。
だからこそ、多くの人がAIの最低限の知識と理解をしておくべきではないでしょうか。
この番組では、AI技術の紹介、また実際の活用事例なども取り上げられていて、超AI入門というように非常にわかりやすく面白い番組ですので、毎回備忘録的に記事として残しています。
シーズン3では、実践編。第5回のテーマは「勝負する」です。
AIでデータを駆使した情報戦へ
馬の26部位を測定し、姿勢を分析するAIが紹介されていました。
その変化をデータ化することで、馬の調子が良い悪いというのを判別する指標とするそうです。
これらの技術は、プロスポーツ選手のコンディション管理に応用されたりしていくことが考えられているそうですが、
スポーツ分野でもデータを駆使した情報戦になっていく可能性が大いにありますね。
実際、プロ野球チームの一部ではAIを駆使した情報戦を行なっていると聞いたこともあります。
勝負の世界に情報が取り入れられた時、少なからず勝敗に関わることは十分に考えられます。
私自身も今後、あらゆるスポーツなどでAIによる情報活用が加速していくことに期待しています。
ゲーム開発は人間研究でもある
ここ最近、ゲームでもAIはどんどん活用されているという話がありました。
昭和時代のゲームと比べれば平成時代のゲームは大きく変わっているなという印象も実際ありますよね。
敵やモンスター、キャラクターが独自の知能を持ったように振る舞い世界が展開されていくゲームも増えてきました。
番組の中でも「ゲームの世界では、AIが圧倒的に強い、いかに手加減するか」というコメントがありましたが、これにはちょっと笑ってしまいました。
確かに、ゲームもプログラムなので、プログラム次第ではAIが圧倒的に強くすることは可能なんだなと思います。
ただ、それだけではつまらないので、メタAIがコントロールしているという仕組みだそうです。
メタAIは、ゲームの進行を監視しながらより面白くなるようゲーム全体をディレクションする役割を持ったシステムと言えるそうで、AI同士がうまく作動しあってゲームが成り立っているのかなと思いました。
番組ゲストとして登場していた三宅洋一郎氏の著書『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 』も非常に興味があるので、ぜひ読んでみたいなと思います。
面白さをどう評価するか
ゲームを作る上で、面白さというものをどう評価するかということも話されていて非常に興味深かったです。
報酬系という言葉で紹介されていましたが、
・・・ → 情動と行動が結びつく → 行動 → 快感 →興奮 → ・・・
この一連のサイクルがあるそうです。
例えば、
モンスターを倒したら経験値が入るという報酬。
モンスターを倒し続けるとレベルがアップするという報酬。
さらにレベルを大きくしていくと新しい街へ行ってアイテムが変える。
というような時間軸に合わせて質の違う報酬系を組み合わせることを考えるみたいですね。
私自身、あまりゲームをするタイプではありませんが、この話を聞くとなるほどなと思わされました。
まさに、プレイしている人間がどういう状態か知ることができれば製作者の勝ちみたいなところがありますが、
ゲーム開発=人間研究
ということが言えるのかなとありましたがゲームを通して人間を知るって面白いですね。
これからは、ゲーム産業でも、AIが人間を理解してダイナミックにユーザーに合わせて変化させていくというのが増えていくっぽいですね。
人間はどこで”賢さ”を発揮する?
Google傘下のDeepMindという会社が開発した、囲碁AIのアルファ碁をご存知の方も多いと思います。
囲碁のような人間の知能を争うゲームでさえ、もはやコンピューターが勝つような時代です。
コンピュータはあらゆる計算をするので、人間がコンピュータには勝てないようになってきます。
では、イージーモードで戦って楽しいのか・・・
人間vsAIという構図はおかしい話になってきますね。
人間は、これから機械に勝てない分野がどんどん増えてくると考えられます。
では、人間が昔に比べてより賢くなっていると言えるのでしょうか?
たとえばGPSによって地図が読めなくなったというのは進化なのか衰えなのか・・・
今までできて当然だと思っていたことができなくなってしまう一方で、AIの活用により他のことに集中できるようになる。
人間の進化や、人間の賢さをどう考えるのかということは
人間の本質的な部分に直結するなと考えさせられます。。。。
人間には失敗する権利がある
番組内で、松尾教授がコメントしていた内容が非常に納得感がありました。
情報技術を使えない時代は、1回の試験で判定するというでよかったけどもうそんな時代は終わり。
今は情報技術を使える時代なので人間の評価システムが変わる必要があると発言されていました。
つまり、「人間には失敗する権利がある」と松尾教授。
いやー、本当にその通りだと思います!
失敗したことで学ぶこともできるし、失敗することを禁止すると余裕を持った行動もできなくなってしまいます。
結果的に学習が憚れるので、失敗する権利を守る社会になっていく必要があるというのは本当にその通りで共感できるポイントでした。
感想
今回は「勝負する」がテーマでした。
AIは、教育分野への応用など適用範囲は無限大だと思いますが、
AIによってあらゆることが個人のオーダーメイド化がされていくのではないでしょうか。
プレイヤー毎に個性があって、100人いれば100通りがあって良いと思いますし、それを実現するにはAIの活用は必須条件になってきそうですね。
そうなると、自分のことを知っているのは、自分以上にAIという縮図になりかねません。
それに対して我々がどう向き合うのかが大きなテーマなのかなと思います。
また、人間 vs AIというのはまったく意味がないもので、
AIをいかに道具に使って人間自身が次のステージに進化できるのか?
それが大事なのかなと思います。
オススメ図書
番組にも出演されている東京大学の松尾教授の講演をお聞きした際に、人工知能関連の推薦図書が紹介されていました。
私もこれらの図書を通して、一般的な知識は身についたと思っていますので、興味のある方はぜひお手にとってみてください。
・入門書として
・読み物として